#平と米の制作所=平米 平安山なほみさん・米須美紀さん | SERENDOUCE CRAFTS

2022/05/18 10:00

幼少期からアートを志す2人をつないだ「木」の縁

沖縄県うるま市にある平と米の制作所=平米(へいべい)は、平安山なほみさんと米須美紀さんの2人の頭文字を組み合わせて名付けられた木工制作所です。2人の感性が合わさって生み出される木製の家具や小物の佇まいは、可愛らしくて美しい、ずっとそばに置いておきたくなる作品ばかりです。


沖縄出身の米須さんは、幼い頃、家にあるインテリア雑誌をめくっては、部屋をどんなインテリアにするかをイメージすることが好きで、いつか自分で家具を作ってみたいと考えるようになりました。大学院卒業までの間に、プロダクトデザインや陶芸を学び、卒業後、リフォーム会社で大工の仕事をするなど、さまざまな角度からものづくりの経験を積んできました。その中で、子供の時から興味があった、木製の家具を作りたいという強い意識が芽生えていきました。

 

東京出身の平安山さんは、小学校時代から得意だったアートを学ぶことを志します。中学時代に出会った版画によって“木を彫ること”に魅せられたことをきっかけに、芸術高校の彫刻科で学び、木材を使った表現を磨きます。その後は父方の親戚がいる沖縄の芸術大学に進学して彫刻を専攻、一旦は会社勤務を経験するものの「みんなに使ってもらえる木製の生活用品が作りたい」という思いを抱くようになります。

 

木材を使った手仕事を究めるために、2人が学び舎として選んだのが、沖縄県にある木工研修所でした。教室で前後の席だった2人は、幅広くアートを学んだ経験が共通し意気投合、お互いの作品について率直に意見をぶつけ合える存在に。

 

2人で一緒にやれば、独りよがりにならずに本当にいいものが作れるはず(米須さん)」と感じたことで、共に制作所を立ち上げることを決意します。どちらのアイデアをもとにスタートした場合でも、研修所で同じ木工技術を身につけていることに加え、それぞれの得意な技術で支えあうことが出来るので、2人で作りだす作品こそが、最大の強みだと考えています。

 

見慣れたものが「木」になって生まれた、予想外の『カワイイ!』

沖縄の木工では珍しい、絵付けを施した作品を作りたいと考え、沖縄らしいやちむんの絵柄や、ホーローの縁取りを取り入れた木の器シリーズが誕生します。

 

「やちむんもホーローも、長い歴史があり人々に愛されてきた器や道具ですが、その素材が陶器やホーローではなく“木”で出来ていたら『何これ?!』って驚きますよね。これは絶対にカワイイはず!と確信しました(平安山さん)」

 

いかにもホーローらしい、鮮明な赤や青、黄色の縁取りでありながら、自然な木目を生かす絶妙な発色。色と木目をそれぞれ引き立てることができる、狙い通りの塗料を探し出すまでには苦労を重ねたそうです。だからこそ、お客様が器をみたときの楽しげな表情をみると、嬉しさがこみ上げると同時に心の中では「やったあ!!」と叫んでいるのだとか。

そんな“意外なユーモア”のアイデアは、買い物の最中や雑誌を読んでいるとき、目にするものをすべて『木に置き換えたらどうなる?』と考えることから生まれてくるといいます。

 

思わず愛でたくなる器として生活に添い遂げたい

2人が目指すのは、愛着を感じて長く使いたいと思ってもらえる『添い遂げるものづくり』。そのためには、普段の使いやすさへの気遣いが欠かせないといいます。

 

「木材を使えば、陶器より軽くて持ちやすいのですが、重みがない分、器がひっくり返らないように底の形状を大きくするなど、使いやすさへのこだわりはとことん追求します(米須さん)」

 

器の木材は、木目が美しい沖縄産のクスノキやセンダン、タブノキを用い、同じデザインの器でも使う木材を変えて木目の違いを見せることで、バリエーションを増やし、選ぶ楽しみを持たせています。

 

「陶器や漆とも違う、独特の木の柔らかさを愛でてもらいたいので、器の木肌をいっぱい触ってください(米須さん)」

 

思わず食器棚から取り出して触れたくなる、そんな愛おしい存在感をもつ平米の器たち。使い込むほどに色合いが深まっていく、木ならではの変化をぜひ体験してみてください。

 

 

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