無作為の美 #艸田正樹さん | SERENDOUCE CRAFTS

2022/06/17 17:00

都市計究し大院を出た後、まちづくりのための仕事に事するも、30の節目にガラス作りの道に進んだ艸田 正樹さん。艸田さんが制作に用いる技法は「ピン・ブロウ」と呼ばれるもので、息を吹きこんで成形する「吹きガラス」とは異なり、水蒸と重力、遠心力などの自然の力だけでガラスを成形します。


人々の幸せを叶えるちづくりの仕事をしながらも、自らの生活は幸福感が薄れ、日常を繋ぐ感覚がないままに仕事に励み、自己矛盾を抱える日々。その中、社会人になって体験をしたガラス工芸を思いおこします。1300度ある溶解の火と向き合って作業をした時、念が吹き飛ぶ感じがありました。ピンブロウという技法が、余分なものを削ぎ落としたいという自分と重なったがして、禅修業のような感覚と同時に、自らの手でものを生み出すことへの純粋な喜びを感じました」と語ります。その後、富山県への移住を決意し、ガラス作家への道を踏み出します。

 

艸田さんの感覚と一体化したピン・ブロウで作られる作品の特徴は凛とした存在感です。「色や泡で模をつけたり表面をって形を整えたりせず、作を削いでいく程、より自然で美しくなる」、そんな想いで制作される作品は、透明感が高く、清らかで、流線の美しがあります。




制作以外にも大切にしている作業があります。「名づけ」です。「風の人のグラス」「やわらかな方位」「ジュピタ」といった詩的なタイトルから、作品にめられた思いについても想像をき立てられます。器を作る感覚や、出来上がった器から受ける印象を言葉に置き換え、名付けされています。今日は風が持ちいいから風の人のグラスを作りたいなとか、生あたたかい天の時はあたたかい雨とか……作品名を感じながらガラス作品を使うことで、食器そのものの上質さだけではなく、その奥にある想像の世界が心に安らぎを与えてくれます。 

 

風の人のグラス:ピン・ブロウの技法ではグラスの底にいくほど厚みが出やすくなります。重心が低く、手に取ったときに感じる重みが心地よさを生みだしています。照明があったときに映るシルエットには、均一な厚みを持つガラス作品とは異なる美しさがあるとのこと。


冷たい水:清らかで、涼やかな印象を与えてくれるうつわです。


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